親の思い、妹の思い、弟の思い
生体間腎移植を決めたわけだけど、
当事者同士、勝手には出来ないわけで、いろいろ書類を用意しなければならない。
例えば、夫婦間であるなら、それを証明する戸籍謄本。
また、ドナーとなることに同意します、という「同意書」も。
この同意書ですが、当事者2名、医師、意外にもう一人の署名が必要。
それで、書いてもらうのはやはり双方の両親かなあと思ってる。
・・・・・・でもね、
私まだ、実家の親に言えてない・・・・。
まあ小さなほころびはあるけれど、幸い健康体に生んでくれた母。
そこに、怪我でも病気でもないのにメスを入れること。
そして臓器を一つ、取り出すこと。
いつか(そう遠くない未来)話すべきことだけど、
正直、
・・・・・・まだ勇気が出ない。
どんなに心配するだろう?
そもそも移植に反対するのでは?
それとも違った解決策が見えてくるのかな?
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そして、私には妹と弟がいる。
弟の返信は明快。
「姉貴の思う通りにして欲しい。ただ、そのための援助はなんだってする」
10歳離れている弟。
私が18歳で大学進学のために家を離れたとき、まだ8歳。小学3年生だった。
最後の家族5人での夕飯となったとき、私は泣くのを必死で堪えていたけれど、
たぶん、彼はピンと来ていなかった。
でも、いつまで経っても帰って来なくなった姉を、どれだけ心配したんだろう?
そして私がお盆やお正月で帰省するたびに、
「やっと家族全員、そろったねえ!!」
いがぐり頭で大きな声ではしゃいでたなあ・・・・。
そんな彼も、いろいろあって高校は進学せず就職。
一時期は目つきも変わり、帰省のたびに家はボロボロ(汗)。
本当に苦労したんだと思う。
でも、2人の姉には優しかった。
その後、結婚や子どもを授かり、今はとても落ち着いている。
3姉弟のなかで一番、大人じゃないか、と妹と笑うことも。
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一方、妹。
彼女もまた、地元に残り、さっと帰れない姉に代わり、
両親の様子を連絡してきてくれる。
彼女とは、彼氏が出来たとき、結婚が決まったとき、妊娠したとき、
その他いろいろトラブルのとき(笑)、
真っ先に連絡する。
今回も、すぐに妹に。
すると、一回目は弟と同じく、お姉ちゃんの考え応援する、だった。
でも、数日たって、きっと彼女なりにいろいろ考えてくれたんだろう。
自分の思いをぶつけてきた。
「やっぱり血を分けた姉のことだから不安」だということ。
「私の子どもへの提供だったら迷わない。でも、配偶者は違うかもしれない」ということ。
とにかくお姉ちゃんのことが心配だよ!!
それが前面にあふれた文章。
・・・泣けた。
今回私たち夫婦が出した結論は、それ自体は変わらないと思う。
でもね、やっぱり、日々、数時間ごと、やっぱり揺れるなあ。
「生きる」ため決めたこと。
だからこそ、周りの人の気持ちや感情をも揺れさせる。
もっと強くならなきゃ。
ううん、それさえも自然に任せるべきなのかな。