そらまめ君日記~腎臓ドナーとして生きる~

夫へ腎臓提供する妻のブログ。透析患者数が32万人。でも移植の症例は年間たったの1600件。この圧倒的なドナー不足の現状を知る手立てになれば、と思っています。

親の思い、妹の思い、弟の思い

生体間腎移植を決めたわけだけど、

 

当事者同士、勝手には出来ないわけで、いろいろ書類を用意しなければならない。

 

例えば、夫婦間であるなら、それを証明する戸籍謄本。

 

また、ドナーとなることに同意します、という「同意書」も。

 

 

この同意書ですが、当事者2名、医師、意外にもう一人の署名が必要。

 

それで、書いてもらうのはやはり双方の両親かなあと思ってる。

 

 

 

・・・・・・でもね、

 

私まだ、実家の親に言えてない・・・・。

 

 

まあ小さなほころびはあるけれど、幸い健康体に生んでくれた母。

  

そこに、怪我でも病気でもないのにメスを入れること。

  

そして臓器を一つ、取り出すこと。

  

いつか(そう遠くない未来)話すべきことだけど、

 

 正直、

 

 

・・・・・・まだ勇気が出ない。

 

どんなに心配するだろう? 

そもそも移植に反対するのでは?

 

それとも違った解決策が見えてくるのかな?

 

 

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そして、私には妹と弟がいる。

 

弟の返信は明快。

 

「姉貴の思う通りにして欲しい。ただ、そのための援助はなんだってする」

 

 10歳離れている弟。

 

私が18歳で大学進学のために家を離れたとき、まだ8歳。小学3年生だった。

 

最後の家族5人での夕飯となったとき、私は泣くのを必死で堪えていたけれど、

 

たぶん、彼はピンと来ていなかった。

 

でも、いつまで経っても帰って来なくなった姉を、どれだけ心配したんだろう?

 

そして私がお盆やお正月で帰省するたびに、

 

「やっと家族全員、そろったねえ!!」

 

いがぐり頭で大きな声ではしゃいでたなあ・・・・。

 

そんな彼も、いろいろあって高校は進学せず就職。

 

一時期は目つきも変わり、帰省のたびに家はボロボロ(汗)。

 

本当に苦労したんだと思う。

 

でも、2人の姉には優しかった。

 

その後、結婚や子どもを授かり、今はとても落ち着いている。

 

姉弟のなかで一番、大人じゃないか、と妹と笑うことも。

 

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一方、妹。

 

彼女もまた、地元に残り、さっと帰れない姉に代わり、

 

両親の様子を連絡してきてくれる。

 

彼女とは、彼氏が出来たとき、結婚が決まったとき、妊娠したとき、

 

その他いろいろトラブルのとき(笑)、

 

真っ先に連絡する。

 

今回も、すぐに妹に。

 

すると、一回目は弟と同じく、お姉ちゃんの考え応援する、だった。

 

 

 

でも、数日たって、きっと彼女なりにいろいろ考えてくれたんだろう。

 

自分の思いをぶつけてきた。

 

「やっぱり血を分けた姉のことだから不安」だということ。

 

「私の子どもへの提供だったら迷わない。でも、配偶者は違うかもしれない」ということ。

 

とにかくお姉ちゃんのことが心配だよ!!

 

それが前面にあふれた文章。

 

・・・泣けた。

 

 

 

今回私たち夫婦が出した結論は、それ自体は変わらないと思う。

 

でもね、やっぱり、日々、数時間ごと、やっぱり揺れるなあ。

 

 

「生きる」ため決めたこと。

 

だからこそ、周りの人の気持ちや感情をも揺れさせる。

 

もっと強くならなきゃ。

 

ううん、それさえも自然に任せるべきなのかな。

 

 

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