そらまめ君日記~腎臓ドナーとして生きる~

夫へ腎臓提供する妻のブログ。透析患者数が32万人。でも移植の症例は年間たったの1600件。この圧倒的なドナー不足の現状を知る手立てになれば、と思っています。

持ってはいけない感情?

こんにちは。
お越しくださり、ありがとうございます。2018年3月に夫へ腎臓提供した妻のブログです。
********************


腎臓の提供を決心たときに、ぼんやりとだけど、

 

もしかしたらこんな感情を持っちゃうのかな、嫌だな、という気持ちがあった。

それは、大事なものを差し出すのだから、

 

「こうしてくれないと」とか

 

逆に「そんなことしないでよ」という感情を私が持ってしまうのでは、

 

という恐れ。

具体的には、「仕事を以前みたいに日付が変わるまでしないでほしい」とか、

 

「お酒を飲みすぎないでほしい」とか。

そんな普通にはたわいもない気持ちだけど、

 

移植腎をお腹に抱えている人には、

 

その腎臓がダメになったら、それは直、致命傷。



透析か移植かという選択を迫られたとき、

 

そこに迷いは無かったのは本当。

 

でも、こころのほんの一部分でそんなことがかすめたのも事実。


 

********************

そして移植から1年9か月。

夫の仕事がどんどん遅くなってきてる。

立場上、仕方のないことだって頭ではわかってるけど、

命あってでしょ。

もし、体に負担がかかりすぎるなら、辞めたって良いよね、って

話したよね。

 

そんな感情が行ったり来たり・・・・。

 

男の人の仕事へのプライド、責任感、

 

そんなことぐらい、私も理解してる。

 

でも、やっぱり、命が最優先なんだよ。

一緒に家族を守ろうって決めたよね。

そんな感情がぐるぐるしてる。

でも、言葉にはできない。

軽く、飲みすぎないでよ~

 

明日は早めに帰ったら。

 

とかは言えるけど。

 

********************

 

こんななんとなーくネガティブな感情でいた時に、

 

同じ移植仲間(こんな言葉あるのかしらね?)のもろずみはるかさんの

 

記事が目に入った。

 

彼女は、私と逆に、旦那さんから腎臓をもらった、という立場で、

 

移植を受けた側(レシピエント)で執筆をされている。

 

うちはレシピエントの夫が、あまり胸の内を開かないタイプなので、

 

赤裸々に語ってくれるはるかちゃんの記事は、

 

本当にありがたい。

 

そんなはるかさんのタイムリーな記事。

そうか、レシピエントはこんな風に、『宝物をお腹に抱えてる』って

 

思ってくれてるのか、ってちょっと安心した。

夫もとても私を大切にしてくれてるけど、

 

なんというか、『言葉』がお守りになるってこと、あるよね?

 

はるかさんのだんなさんは、私のような気持ちは持たれていないみたい。

 

なかなか、その境地には行けそうもないなあ・・・私。

 【はるかさんの素敵な記事はこちら】

soar-world.com

 

********************

 

何度も言っているけど、

 

私は万人に移植がベストな答えだとは思っていません。

 

その人たちのその時々の関係性、環境、タイミング、

 

それぞれがうまくかみ合った時に、その人たちなりの答え、というものが

 

あるはず。

 

腎臓のご病気で、迷われている方、支えている方、

 

そんな方に届けばいいなと思っています。