そらまめ君日記~腎臓ドナーとして生きる~

夫へ腎臓提供する妻のブログ。透析患者数が32万人。でも移植の症例は年間たったの1600件。この圧倒的なドナー不足の現状を知る手立てになれば、と思っています。

夫の腎臓は小さくなってました

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medipress.jp

しょっぱなからなんともショッキング(?)な画像ですが・・・・。

これは東京医科大学八王子医療センター(八王子医療センター)で


腎移植手術を受けた患者さんの、CT画像です。(写真は上記ページより引用)

こうしてみると、大きさがずいぶん違うのが分かりますね。

 



よく、元の(悪くなった自分の腎臓)を取り除いて、

新しい腎臓(ドナーが提供した、つまり、私の腎臓)と付け替えるんでしょ?

と聞かれるので、そういう方には、とってもわかりやすいかと。

 

実は私たち夫婦も、手術を決めるまではそう思っていました。

でも、実際は違うんです。

この3D写真で見るように、

移植腎は背中側でなく、


お腹側に入ります!!

しかも、使わなくなった自分の腎臓は、

ちょっと可哀そうですが、小さく萎縮していくんですね。

実は先日、夫が人間ドックを受けてきて、

担当の先生に驚かれたそうです。

やっぱり、夫の元腎臓も、小さくなってるって。

その分、私のそらまめ君が、しっかり機能してくれているようです!

 

 


来月で、移植後1年となります。


 

 

ドナー(私)の今の体の状態

こんにちは。
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先日、夫の月一の定期検診にくっついて、

 

術後8か月目となる検診(術後3回目)に行ってきました。

 

いつも通り、採血・採尿後に主治医の先生と久しぶりの再会。

 

初めに、先ほどとった血液と尿の一覧を見せられるのですが、

 

緊張します!(汗)

 

まず一番初めに探してしまうのが、

 

クレアチニン値」

 

このブログでも何回か触れてきていますが、

 

すごーく簡単に言うと、

 

今の自分の腎臓がどの程度の状態か分かります。

 

そして、そして、これがついに、

 

目標としていた「1」を切りました!!


ぎりぎり、「0.99」ですけどね・・・(笑)

 

  (男性)基準範囲:1.00以下 要注意:1.01-1.29 異常:1.30以上
  (女性)基準範囲:0.70以下 要注意:0.71-0.99 異常:1.00以上

 

でも、この1を切る、というのはすごく大きくて、

 

ステージがひとつ上(G3bからG3aへ)に上がったので、

 

とてもほっとしたのです。

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その他は、血圧もタンパクも全く正常値。

 

隣の夫もとても喜んでくれました。

 

とはいえ、腎臓の状態は健康体からすると約45%程度。

 

これからごちそうシーズンなので、無理をしない程度に楽しもうと思います!

 

 

初めて「ドナーの会」に参加

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3月29日に夫へ腎臓の移植手術が行われてから、8か月、

 

その後10月29日に扁桃腺摘出手術。

 

色々あった2018年度ももうカウントダウンに入りました。

心配していただいている、体調ですが、思っていたより早いスピードで時間は流れ、


手術跡もほとんど目立たなくなってきました。

久しぶりに会う方々にも、


「元気?」「おかえり!」とお声掛けいただき、


みなさん、本当に気にかけてくださっているなと感謝ばかりです。

実際、日常生活ではほぼ元に戻り、


普段はほとんど手術のことも忘れています。(笑)

唯一、感じるのはとても疲れやすくなったなあ・・・・ということ。


なんというか、「スタミナが持たなくなった」という感じかな。

そういう時に欲しいのが、同じ体験をした人の情報。 

 

意外と「ドナー(提供する側)」についての情報が乏しく、

 

いつも見ている『メディプレス』というサイトに、

 

「ドナーの会」参加者募集が出ていたので、

 

先日の土曜日、早速参加してきました。f:id:tyokaori:20181205084058j:plain

 

レシピエント(提供される側)の夫も一緒です。

 

この会は、私たち夫婦と同じように、

 

東京女子医大病院で移植手術を受けた人たちが運営されています。

 

ちょっとおっかなびっくり、でかけたのですが、

 

皆さんのなんと明るいこと!

 

ドナーだけでなく、レシピエントの方や、これから移植を受ける方、など、

 

また、年代もさまざまでした。

 

そして今回、

 

なんと移植して「20年!」

という大先輩にお会いできたことは、大きな希望となりました。

 

その他にも、8年、10年、などそれぞれの経験や、

 

今まで健康に過ごしてこられた秘訣など、

 

とても学ぶことが多い会でした。

 

感じたのは、こちらにこうして元気でいらっしゃる方たちは、

 

ご自分の健康管理は当たり前、さらに、

 

こうやって情報を「これから」の方々に一所懸命に共有されている、ということ。

 

さらには、私たちと同じように、3月に移植されたご夫婦(レシピエント:奥様、

 

ドナー:ご主人)もいらしたのですが、

 

奥様はご自身の経験をプロのライターさんとして発信されているんです。

 

そのコラムを拝見して、レシピエントのドナーへの想い、というものが、

 

意外と分かっているようで分かっていなかったかも、ということや、

 

それぞれの立場でやはりいろんな想いがあるな、と再認識しました。

ドナーの会に参加して、もうひとつ私が感じたのは、

 

レシピエントの皆さんほどに、ドナーの立場では発信することが少ない、

 

というか、発信の仕方が難しいということです。

 

手術したからと言って、術後の薬があるわけでもなく、

 

また、検査にしてもレシピエントほどこまめにあるわけでもない。

 

ただ、「健康でいること」がお互いや、家族、周囲に向けての

 

役割なんです。

 

でもだからこそ、なんというかモヤモヤっといた不安感、閉塞感、

 

焦燥感、そういったものがある。

 

私はたぶん、こういうことも今後、「これから」の方々に向けて、

 

発信をやっていきたいんだな、とぼんやり思った道すがらでした。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます!

 

おまけではないですが(笑)、下記に最新の国内での腎移植数のデータを貼っておきます。

 

 

腎移植実施施設リスト 2017年版(件数) | MediPress腎移植

 

 

カチカチの扁桃腺

おはようございます。
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昨日10月29日、移植手術からきっかり7か月目に、

 

夫の扁桃腺摘出手術が行われました。

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11時10分に手術室に入り、予定では1時間ほどで済むはずか、

 

2時間たっても出てこない・・・

 

さすがに心配になって腰を浮かしたところに、

 

「ご主人、そろそろ出てきますよ」との看護師さんの声が。

 

出てきた主人は、まだ意識もはっきりしていなくて(全身麻酔のため)、

 

たまに「ううっ」と辛そうな声を出すのみ。

 

医師に経過をお尋ねしたところ、次のような回答でした。

 

扁桃がかなり固くなっていて、メスでは切り取られず、はさみで切り取った

・出血がひどく、通常はしない縫合をしている

・そのため、普通よりは痛みが強く長引くと思われる

・咳払いはNG

・のどにひりつき、張り付く感じがあると思うが我慢

・摘出した扁桃は念のため病理検査に回す

 

まあ、つまり、時がたつのを待つしかないようです・・・(汗)

 

いやあ、これだけ書いているだけでも、

 

思わず顔をしかめてしまいますが、

 

私が伝えたいのは、この手術を早期に行っていれば、

 

夫の移植手術は、もしくは30年近くに及ぶ闘病はさけられたかもしれない、

 

という事実。

 

 

夫の元々の原因となる病気は、「IgA腎症」といって、

 

腎臓の糸球体に免疫グロブリンのIgAという蛋白が沈着する病気です。

 

そして、腎臓とは遠く離れた扁桃腺から、この異常な指令を出すことが

 

近年知られていて、日本の医学界では、初期の場合は扁桃腺摘出を

 

勧めるところが出てきています。

 

それでも、まだこの治療法に二の足を踏む医療関係者や、

 

やっぱり手術は手術なので、特に重い自覚症状が出ていなければ、

 

まあいいか、と流すケースが多いようです。

 

事実、夫の場合も幼少より扁桃腺炎を繰り返していたようですし、

 

何度か摘出手術を勧められたこともあったようですが、

 

見送ってしまいました。

 

 

結果、私たち夫婦は「人工透析」か「腎層移植」か、

 

という選択肢しかなくなり、後者を選んだわけですが、

 

移植が「最上」で「最良」とは思っていません。

ただ、その時に家族のこれからとか、生活の質を保つために、

 

「最適」と思えたのが移植だったのです。

 

でも、これはやっぱり最終手段。

 

レシピエント、ドナー、家族、周りの人々を巻き込む、

 

大きな出来事となります。

 

ですから、もし、何かのご縁でこのブログに来ていただいた方がいれば、

 

ぜひ、違う選択肢も考えてみてください。

 

そして、毎年の尿検査、血液検査をじっくりと見ること。

 

子どもたちの校内検査もそうです。

 

昨年と「変わりがないこと」をしっかりとご自身で確認してほしいです。

 

 

エビフライが天敵に⁈

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いよいよ来週月曜は、夫の扁桃腺摘出手術。(過去記事は下記)

 

soramamekun.hatenablog.com

 

 

これ自体は移植前から、再度IgA腎炎にならないための

 

予防的措置なので、心配はないのですが、

 

退院後が大変そうです・・・。(汗)

 

なにしろ、口の奥深く、機械でガガッと口を固定しての手術です。

出血がひどくなければ1時間ほどで終了。

 

しばらく流動食で耐えてもらうしかありません・・・

 

 

 

だけど!!

 

病院で説明された退院後のしおりを見て、思わず笑っちゃいました!

 

退院後、しばらく食べてはいけないもの。

 

エビフライ!!

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なんとなく、「固いもの」はだめだろうとは思っていたけど、

 

エビフライ(笑)。


それと並んで、

 

トースト!!

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なるほどね~

 

確かにどちらもカリッとしてますね(笑)

しかも、米粉のパンのトーストは、そりゃ痛そう・・・(汗)

 

術後はやらなくてすんでいた食事療法、

 

今度は流動食で再開です~~~

 

 

 

 

 

 

扁桃腺摘出手術が決まりました

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こんばんは。
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さて、7月31日に行った「腎生検」

 

soramamekun.hatenablog.com

 

(移植した腎臓の細胞を採取し、病理検査する手術)

 

の結果もほぼ問題なく、穏やかに過ごしております。

 

・・・・・・が、

 

また、手術入院となりました。

 

とはいえ、今回は移植前にすでに計画されていたもの。

 

扁桃腺摘出手術です。

 

腎臓と扁桃腺??

 

と思う方も多いかと思います。

 

そもそも、夫が腎臓移植に至った原疾患は、

 

IgA腎炎。

 

これは、腎臓の糸球体がどんどん壊れていって、

 

ついには腎臓機能を失う、というものなんですが、

 

その原因というものが、のどの扁桃腺への感染症、と言われているんです。

 

特に最近よく耳にするのが、

 

溶連菌。

そう、子どもが熱を出して、小児科に連れて行くと

 

よく「溶連菌ですね~~」って言われますよね。

 

あれ、です。

 

溶連菌などにより、扁桃腺炎にかかって喉から抗原が体内に入ってしまい、

 

その結果、抗体(IgA)が作られて腎臓に取り付いてしまうケースです。


扁桃腺炎になってもIgA腎症にはならない人もたくさんいますから、一部の人だけが免疫抗体が暴走して発症するという意味で、IgA腎症は自己免疫疾患とも言えます。)

なので、最近ではまだ軽い腎症のうちに、

 

扁桃腺摘出をする病院が多いようです。

 

夫の場合は、それをする機会を逃してしまっていたので、

 

今回、移植手術後に予防的に行うことは、事前に決まっていました。

 

それを今月末、10月29日に受けることが決まりました。

 

またしばらく入院生活。

 

しかも口内。

 

なんか、術後が大変そうですしっか(汗)。

 

しっかり看病しようと思います!

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グレープフルーツは絶対禁止!!

こんにちは。
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よく、ご質問いただくことの中に、

 

「食事制限はあるの?」

というものがあります。

 

結論から言うと、

 

 

ほぼ、ありません!!

 

ただ、夫(レシピエント)と私(ドナー)では

 

ちょっとした違いがあります。

 

今回は夫(レシピエント)の場合についてお話しますね。

 

レシピエント(もらった方)は、移植後、

 

一生『免疫抑制剤』というものを服用します。

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移植されてきた腎臓を、体は「異物」とみなし、

 

攻撃してきます。

 

それを阻止するのがこの薬の役目です。

 

そして、薬には必ずデメリットがあり、

 

抑制剤の場合は

 

感染症リスク」が上がる、

 

ということ。

 

 

 

さて、肝心の食生活。

 

移植以外でも免疫抑制剤

 

服用している人は注意しなければならないことがあります。

 

絶対の禁忌は、

 

『グレープフルーツ』!

 

それ以外にも、ゆず、夏ミカン、スウィーティーなど、

 

柑橘系は避けなければなりません。

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なので、どんな柑橘類が含まれているか

 

わかりにくい市販のジュースもダメですね。

 

なぜ避けなければならないかというと、

 

これらに含まれる「フラノマクリン誘導体」

 

というものが、薬の効き目を強くしすぎてしまい、

 

その結果、免疫力が極端に落ちてしまうからです。

 

免疫抑制剤と柑橘類について詳しくはこちら】

http://uromasa.net/Oldsite/UROMASAtop1/yi_liaonopeji_files/薬物相互作用について.pdf

 

 

 

もうひとつ、避けるべきもの。

 

それは移植後半年くらいは、

 

生ものは禁止!!

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これも、やはり感染症予防の観点から。

 

なので、先日の能登旅行は、

 

お刺身などのおいしい地域でしたが、

 

残念ながら夫は別皿に。

 

(代わりの能登牛、とっても美味しそうでしたが!)

 

 

こう書くと、えええええ~~!大変!

 

と思われるかもしれませんが、

 

移植前の食事制限に比べれば雲泥の差。

 

日々の食事、家族みんなが同じものを食べられる幸せ、

 

改めてありがたいなあと思います。